ユダヤ人救った故杉原千畝氏 政府「処分なかった」

http://www.sankei.co.jp/news/060325/sei045.htm

ちょっと気になったので。第二次大戦中に多くのユダヤ人を救ったという杉原千畝氏についての話だが、そもそもなんで処分の有無が問題視されるのかがわからない。この人が処分されるのはむしろ当然だと思うのだが。

この人が多くのユダヤ人達を救った事自体は称えるべき立派な行動だと思うが、一方で外交官としては明らかに間違っていた。国策として決められた方針を、いち外交官が自分の判断で勝手に覆した事になるわけで、そんなことを組織として許容するわけにはいかないのは当然なのだ。当然、外務省もこの人を外交官として使い続けるわけにはいかないわけで、クビにして当然だろう。つか、この人もこれでクビになることくらい分かりきってたはずだし、その覚悟の上で自分の信念に基づいて行動したんだろうと思うんだが・・・。

この人を処分したことについて外務省を責めるってのも間違ってる。当時の国の方針として、ナチスドイツと協力していくことになっていたのだから、ナチスと明らかに反する行為を許容できなかったのも仕方ない。責めるとしたら、そもそもナチスと協力することを選択し、戦争をおっぱじめた当時の日本そのものと、その責任者だろう。そもそも根本的に国の方針が間違っていた事から来ているのであって、この件について外務省を叩くのは筋違いもいいとこだ。

この杉原千畝氏の処分うんぬんの話は、あの鈴木宗男氏が音頭をとってるわけなんだが、どー考えても外務省を狙った復讐と自分の売名行為のネタにしてるとしか思えない。別に外務省を擁護したいわけじゃないが(つかむしろ外務省を叩くこと自体は大賛成なんだが)、こういう馬鹿な行為はやめてもらいたいもんだ。

つかネットでちょっと調べたら、この件についての鈴木宗男氏の本にこんな一節があるらしい。「なるほど杓子定規に考えれば、たしかに杉原さんは服務規程違反かもしれない。しかし外交官は外交官である前に人間であるべきだと私は思います」。・・・・アホかい。人間として行動するときに、外交官としての「権限」を使えば非難されて当然だろう。世間的にはそれを「公私混同」と言うのだよ。なるほど、こんな認識の人だから平気で公費を私的に流用したり出来るんだなぁ。